建築家との契約は慎重に!
設計から建てるまでやってくれるのがハウスメーカーや工務店ですが、
〝建築家〟は、設計と施工監理を担当します。
なので、建築家(所謂設計事務所)に依頼する場合は、
別に施工会社(工務店など)と契約する必要があります。
家づくりの流れとしては、
ざっくり、こんな感じです。
※支払い回数や割合は各設計事務所によって異なります。
まず、①の建築家選定ですが、
プラン作成に10〜30万円必要です。
(価格は建築家さんによります。)
このプラン作成費用は、契約すれば設計費の一部に充当されます。
(ハウスメーカーでも、5万円程度のプラン料を必要とするところもあります。)
設計で対価を得る仕事なので、プラン料金が発生するのは致し方ありません。
でも頼む側の私たちからすると、
なかなか試しに…とはいかない金額なので、
プラン作成を依頼した時点で、
ほぼほぼ、心はその人への依頼確定な状態ですね。
初回プランの提案を受けた後、契約を交わし、
工事予定額(建築予算)の10%〜15%を設計費として、
その10%〜25%を手付金的に支払います。
例えば、予算3000万円なら、
設計費10%とすると、約300万が設計費となり、
契約時に初回分30万円〜を支払う感じです。
但しこの設計費には、構造計算費や旅費等は含まれていません。
また、最終的に工事費が4000万円かかったら、
100万円を追加で支払わなければなりません。
さて。
建築予算を伝えて作ってもらったそのプランは、
果たして本当に予算通りの金額で建てることができるのでしょうか?
それが分かるのは、上記表の④と⑤の間です。
もし、大幅に予算を超過してしまったら?
A/予算を上げる
B/なんとか削れるところを探す
C/基本設計から見直す
D/依頼をやめる
のどれかが必要になってきます。
この建築家への依頼システム…私は甚だ疑問です!
かなり工程が進んだ段階で価格が判明しても、
既に時間も経っているうえ、支払いも2〜3回目まで済んでいるので
依頼をやめる、という選択肢は除外したいところ。
また、先ほど設計費は、
「工事予定額の●%」
と書きました。
ということは、
工事額が上がれば、設計費用も上がっていくのです。
これで建築家が積極的な減額をしようとするでしょうか?
(人間性によりますが。)
そこで私は、これから建築家と家づくりをしようと考えているあなたに
「概算見積もりが出るまで契約するな」
と、声高に伝えたい!
私たちが大きな失敗をしたのは、まさにここにあります。
設計事務所によっては、契約は概算見積もり後というところもあります。
そういうところの方が安心、ということです。
1回目に契約したのは、
雑誌(建築・インテリア・ファッション・アウトドア…ジャンル問わず)で
姿を見ない月は無いほど
有名かつ新進気鋭ともてはやされている建築家Tさん率いるS設計事務所でした。
Tさんに依頼したとはいえ、多忙ゆえ、実際に動くのはスタッフ。
しかし多忙なTさんとスタッフの打ち合わせる時間がなかったり、
まだまだ実力不足のスタッフは、TさんのOKが出る案を出せなかったりで、
とてもとても時間がかかっていました。
1年間ほんとに何も進まなくて、
でもSNS上では、Tさんが直々に進めているだろう案件がどんどん出来ていって
見積もりの段階に進むまでも無く契約解除しました。
しかし、すでに契約済みなので2回目まで支払い済み。
交渉したところ、S設計事務所は素直に非を認めて
プラン代のみを支払うことで合意し、残りは返金してくれました。
次に契約したのは、東京品川に事務所のあるA設計事務所。
建築雑誌で見かけた建物の建築地が地元だったこと、
その時手掛けている別案件も地元だったこと、
元々依頼したかった設計事務所にS氏が以前所属していたことから選びました。
(その元の事務所からは多忙&遠方のため断られた)
この人が、まぁ最悪。(/ _ ; )
子供の小学校入学に間に合うように
余裕を持って依頼したのに、
3年経っても上記④の段階。
A社に出してもらった概算見積もりは、
削れるところを削って出してもらった本見積もりも
A社は概算とあまり下がらず予算の1.5倍
その他の数社には断られ、
やっと出してくれたB社も予算の1.3倍。
しかも外装・内装とも仕様が、
当初の要望から
遠くかけ離れたものとなっていました。
内容が金額と見合っていたら、納得もします。
でも、一般的な仕様(ローコスト住宅でも通常使用するもの)だし、
床も壁も構造材むき出し(クロス張らない・フローリング無し)など
どこにお金がかかっているのか理解できませんでした。
(後で分かったのは、構造そのものが、
非常に手間のかかる形状だった)
減額のために、一度出来上がったプランから、
何かを削除していく作業は、
矛盾や不都合を生み出します。
どんどん単なる間取りゲームみたいになってきていたので、
構造から見直すべきだと考えました。
予算超過の場合の選択肢Cです。
それを建築家に伝えると…
なんと追加料金を要求されました。( ゚д゚)
そもそも予算度外視の設計をし、
コストを掛けるべきところと、
建築家氏本人です。
出来上がってもいない設計を、
完了したと言い張り、
さらに追加料金の請求…
もう信用できないと思い、2度目の契約解除となりました。
(別案件の施主さんともトラブルを起こしていることも判明)
実施設計の終了間際まで進んでいたとはいえ
本当は確認申請後でいいはずの3回目はおろか、
時間が経ちすぎてて経済的に苦しいからと懇願され、
(↑この時点で断らないとダメだよね…)
本来なら着工時に支払う4回目(全部で設計費の85%)まで
支払ってしまっていました。
長い時間を棒に振ったうえに、
支払わなければ次の段階に進めないというシステムに乗ってしまい、
決まりもしない&建てもしない状態で
多額の支払いをしてしまったのです。( ̄◇ ̄;)
3回目の支払いをしたのも、そうしないと施工会社に見積もり依頼できないと言われたから…
4回目の懇願の時は、払わないとズルズル先延ばしにされそうだったから…
何度も言いますが、
出来上がってもいない机上の空論に数百万円。
明らかに支払いすぎだと思います。
返金を求めて、現在訴訟中です。(メンタル的にはボロボロ…)
これから建築家さんと家づくりをしようとしている方は、
ほんと契約&支払いは慎重になさってください。
雑誌は、良いところしか見せません。
もしその建物を建てるときに施主と何らかのトラブルがあっても
雑誌には掲載されるし、
建築家の実績として時には表彰されることもあります。
では、どうやって信頼できる建築家(設計事務所)かどうかを
見分けたら良いのでしょうか?
大きな失敗をした中で、分かったことを
次回お話しいたします。
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